ネイルで使用するアセトンは健康に影響するのか?
私自身がもっとも気にしているのはアセトンが爪に悪いうえにさらに「健康に良くない」という部分です。爪だけなら、生え変わったら元通りになりますが、健康となると元には戻れません。
そのため、当ネイルサロンでは10年以上前からアセトン不使用で通してきました。
また、安心してセルフネイルを楽しんで頂けるように当ネイルスクールもノンアセトンであるフィルインの方法をお教えしてきました。フィルインは難易度の高い技術ですが、3日間の初心者の方でも受講できるクラスに取り入れています。
アセトンのせいで爪がすごく傷むということを知ったと同時に「これって健康に悪いのではないか?」という不安が沸き起こり、すぐに調べ始めました。
アセトンは沸点が非常に低く、常温で気化しやすい化学物質です。使ったことがある人なら、いかにすぐ揮発してしまうかお分かりかと思います。体温であっという間に気化してしまいます。そのため爆発炎上事故なども起こっており、飛行機への持込み禁止11品目(7番目)に指定されています。
こちらは警察署の出しているチラシです。下段の右から3つ目。絵にある通り、アセトンは除光液に入ってる場合もあります。アセトン入り除光液はラメネイルなどが溶けやすくなります。除光液に配合されているアセトンは純度が低いですが、ジェルネイルのオフで使用するアセトンは、落としやすさを重視する場合はアセトン純度は限りなく100%に近いものが使われます。
アセトンが肌に付くと、瞬間的に油脂を溶かし体温であっという間に気化します。一度体験すれば一目瞭然です。塗った瞬間に乾いて肌が白く乾燥してしまうからです。水分も油分も肌から一瞬に失われカサカサになります。
アセトンのMSDS(化学物質安全性データシート)は「アセトンを使用しないでネイルをオフ」の記事に詳しく書いてあります。
ネイルのオフ時に使用するアセトンは肌につけたまま10分以上パックしたような状態になり、取ったあとは肌がカサカサになりますが、健康面ではどうなのだろうか?以下の2点が気になりました。
- 揮発したアセトン成分は空中に広がるが、吸ってしまって大丈夫なのだろうか?
- アセトンの成分が経費吸収して体内に浸透するのではないか?
という疑問でした。
調べてみると、アセトンの取り扱い時(※)には法律で「局所排気装置」が義務付けられ、さらにはその局所排気装置の定期自主検査までも必要なのです。(※=「ネイルで使うアセトンの危険性を指摘する法律」の記事でも書きましたがネイルサロンで使用する量だと義務を免れます。)
「局所排気装置」とは、部屋の天井近くに換気扇があるというようなレベルではありません。無煙焼肉屋さんで網のすぐ上に換気口が出ているような状態。すなわち使用するすぐ近くにないといけないという意味です。
ネイルサロンでは部屋に換気扇すらないのが普通です。部屋内にアセトンの蒸気がたまり続け、呼吸や肌などから体内に浸透するということになります。揮発物を吸わないように「局所排気装置」の義務があるアセトンを少しづつではあっても吸い続けるということになり、健康に影響を与えるという結果になるわけです。
健康を気遣うタイプの方なら、避けたいと考えるものだと思います。世の中、いろいろな意味で二極化が進んでいます。気にする人と気にしない人。
私自身は気にしない方に「気にすべきだ」というつもりはありません。気になる方にはぜひお力になりたいと考えているのです。
他にもネイルサロンで一般には使用されているけれど、私は避けたいと思うものがあり、試行錯誤を繰り返しながらより安全性を高めてきました。
その結果、アセトンを使用しないオーガニックメソッドを構築できたのです。
オーガニックネイルについては詳しい記載をご覧ください。
またブログでも究極のオーガニックネイルである「オーガニックメソッド」について記事がたくさんあります。